2007 American International TOY FAIR in New York
ニューヨークトイフェア報告
2007.2.11〜2.14

前畑典子

西半球最大の玩具見本市、ニューヨーク・トイフェアのご報告です。ニューヨークの国際玩具見本市は、毎年年明けから行われる香港、ニュルンベルグの玩具見本市に続いて、2月中旬に開催されます。今年は、2月11日から14日までの会期でした。イメージミッション木鏡社では、今年はお客様のエジソンの玉子の中野さんとお子様の優君、アシックのデザイナーの大森さんと山口さん、弊社会長と私の6名で出かけました。画像は、JFKに到着した記念撮影

出発は2月10日の昼頃でNY着が同日のお昼頃。見本市は翌日からなので、時差をものともせず、一同早速市内観光にでかけました。長年見たかったグッゲンハイム美術館まで歩いて行くことになり、マイナス3度の市内にくりだしました。55丁目のホテルからセントラルパーク沿いに89丁目まで歩くこと約25分。顔が寒さでバリバリになり、耳も痛い感じ。南国育ちには、身の引き締まる寒さです。セントラルパークの入り口に緑色の多面体彫刻が設置してありました。

グッゲンハイム美術館は、1959年に完成した、巻貝をイメージしたフランク・ロイド・ライトの設計で有名な建物。外側は改装工事をしていましたが、中に入ると、らせん状の回廊に絵画が展示してあり、上に行くごとにせり出している為に下の絵を再度見ることが出来る構造になっています。不思議な建物。50年も前に建てられたとは思えない斬新さ。当時、あまりにも奇抜な設計だったために、なかなか市の建築許可が下りなかったという逸話があります。企画展は、「グレコからピカソへ」という魅力的な企画でした。左の画像は建物の天井です外から見ると、四角い建物群の中でひときわ目だっていて、「あぁ、これが有名なグッゲンハイムか!」と直ぐ分ります。
ニューヨーク見物には、「シティ・パス」が安くて便利です。55ドルで、グッゲンハイム、MoMA美術館、自然史博物館、エンパイヤステートビルの入館料と、自由の女神が見れる遊覧船の乗船券がセットになっています。デパートの15%引きの特典もついており、MoMAを見るだけでも20ドルくらいはするので、大変お得になっています。

2月11日(日曜日)ホテルのすぐそばから会場のジャビッツ・センターまでシャトルバスが出ているので、それに乗って会場へ向かいました。市内に数ルートの無料バスが会場へ参加者を運ぶサービスは、殆どの参加者が利用しており、行き届いたサービスだと思います。バスを誘導する係員も各バス停に待機していて、寒い中お客を待たせないよう、バスと無線で連絡をとってくれます。「あと、5分で来ます!」と案内してくれます。左は、早朝バスを待つ人の列。皆、トイフェアに向かう参加者です。
会場は、11アベニューの、34&39丁目。初日は、10時から開場ですが、9時過ぎに会場に到着すると、もうすでに登録を待つ人の列がいっぱいです。日本からあらかじめオンラインレジスターを済ませていましたが、バッジを貰う為に並べました。会場はレベル1と2に分かれています。18歳以下と乳幼児は会場に入れず、年齢制限のチェックはかなり厳しい様子です。
 
まずプラントイのブースに行きました。今年は、レベル1の6215。入り口から直ぐの好位置。プラントイの今年のブースは、昨年の倍の広さをとり、6mx12mの広さ。開放的なブースレイアウトで、4方から入れるようになっています。アメリカで人気のブランド、メリッサ&ダグの向かえに位置していました。プラントイでは、ビトール社長をはじめ、プラントイ・インコーポレイテッド(アメリカの法人)のニタヤ社長、社員のジャッキー、ほかプラントイのマネージャーが2名スタンバイしています。

今年プラントイは、グリーン・プロダクトとして、環境に配慮し、健康に配慮した無添加商品ということを前面に出して展示していました。グリーンのパネルに白抜きの文字で、コンセプトをアピールしていますテーブルにプランシティ、ドールハウスをまとめて展示し、参加者の注目をあびていました。
プラントイは、アメリカ国内に昨年Plantoys Inc.という現地法人を立ち上げ、国内市場の販売に乗り出しました。ブースを訪れるお客様の多くが北米、南米各地で小売店様。商品を見る目も、質問も真剣です。新規で取扱を希望されるお店、継続のお店の店主様で、大賑わい。スタッフが対応に追われていました。
  
左の画像は、ゾムツールのブースの、ゾム博士、マイケル。実際は数学者ですが、映画、Back to the Futureのドクを真似てゾムの多面体をかぶったのだそうです。ブースのデザインは、メタゾム。ゾムツールの62面体のノードの形を、ゾムを使って再現、さらに、その62面体をつなげて、大きな62面体を構成したという力作。ニューヨーク在住のジョージ・ハート氏(「Zome Geometry」の著者)も応援に駆けつけて作成したという。左下の写真は、ゾムツール社の新しい会長、カルロス。ゾムツールは、5月に新製品が出ます。前よりスムーズな構築が可能になるストラットとノードは、現在最終調整中です。
メタゾムの中は商談室。
居心地は宇宙船の中的
時差とたたかっています。
   
   新しいゾムツールは、特殊なABS樹脂を使用します。
   滑らかで折れない素材です。        
   ストラットの表面の面取り角部分がやわらかくなり、組み立てる   ときの感触が手にやさしくなります。ノード
   への挿入もスムーズになりました。                     ストラットの長さが現行商品より短かくなりますが、新しいノード   と現行商品との互換性もあります。現在まだ試作段階です。
   日本入荷は、6月ごろを予定しています。まもなく、
   新製品の詳しいニュースも間もなくお届けできると思います。
     2月12、13日の2日・3日目は、各メーカーのブースを見て回りました。左は、ブリオの新製品。今年の秋発売予定です。積み重ねるプラスチッ ク製のハウスに、かわいらしいソフトトイが住みます。日本に来たデザイナーが、日本をイメージした商品だということです。
 明るく、カラフルな色使いは、相変わらずブリオのデザインの特徴。
 下の画像は、ニュルンベルグのブースですが、右のポスターにちょこっと見えているのが、ポニーセットの新しいなかま、犬とねこちゃんです。        らQも初出展。                           
左は、オーブ社のブースで、右側が社長のスティーブン・ケイ氏。
ケイ氏は16年前に、カナダでオーブ社を立ち上げました。オーブ社の
フレックスター3は、昨年日本のグッドトイ賞を受賞しました。そのほかにも、オーブ社の商品は、カナダのペアレンツ・チョイス賞、平和な遊びに向く20の玩具賞等に選定されています。日本では、オーブ、マグネチックモザイク、スティッキィ・モザイクなどが人気です。今年の新商品に、小型のマグネチック・モザイクや、新しいデザインのマグネチック・キューブなど、魅力的な商品が加わっていました。また、ご紹介いたします。そのほか、K-Dron,スリンキーも出展しており、新しい商材もいくつかご紹介できそうです。どうぞ、お楽しみに!
この日、マンハッタンの夜景が一望できるという、リバーサイド・カフェに行きました。百万ドルの夜景をバックに、記念撮影をして、タップダンスは踊らずに帰ってきました。デザイナーの大森さんたちは、この夜
オペラ座の怪人のミュージカルを観劇、大興奮で帰って来ました。
このミュージカルは、NYで今大人気のようで、シュタイフの新製品に何とファントム・ベアがいました!日本に入ってくるかどうかはわかりませんが、このミュージカルの人気の程が分りますね。シュタイフのブースには、そのほか、ミニテディや、くまのプーさんなど、かわいい商品がたくさんありました。日本向けカタログは、まもなくです。



MoMAショップで売られていたスネイル
    2月14日は雪。 この日は、午前中はMoMA美術館とMoMA
ショップへ。 美術館には現代美術が贅沢に展示されており、皆思い思いの鑑賞の仕方で楽しんでいます。床に座って模写する人あり、 
写真をとる人あり。フラッシュをたかなければ、写真撮影もゆるされているところがうらやましい。MoMAショップでは、プラントイのスネイルを販売していました。今年の夏からは、更に7アイテムを増やして販売するとのことで、今回のトイフェアにMoMAの方がプラントイのブースを訪れていました。販売される商品は、2007年の新製品の他、51110ハッピートレイン、51120ヘンリー君、43310パピー、43320キャシーなど、7アイテム。MoMAショップで販売されるのは、大変な名誉           
  
プラントイブースをたずねたゾムツール社の社長。P.S.1は、クイーンズにあるMoMAの別館。コンテンポラリーアートが充実しています。
一晩降った雪が、約15センチほど積もりましたが、融雪剤やパワーシャベルの雪かきで、市街地の歩道は翌日には歩くのにまったく支障が無い状態になりました。年に1〜2回しか降らない
雪に、NYトイフェアはいつも遭遇するようです。でも、昨年の吹雪を体験したので、今年の雪にはもう驚きませんでした。でも、寒かったです。

 
左の写真は、アップル・ハウス。大森さんたちが訪れて感激していました。NYには行きたい場所がいっぱいあります。14日の午後は、F.A.O.シュワルツという、5番街の大きなおもちゃ屋さんを見学。広い店内には、大きな動物がたくさん置いてあり、まるでジャングルに踏み込んだよう。1階にはパピー・コーナーがあって、あらゆる犬種のかわいいい犬のぬいぐるみが満載。大きなシュタイフのハスキーのぬいぐるみを買って抱えて帰った日本人の女の子もいました。地階はベビーと木製玩具、2階はフィギアやお人形のコーナーが充実。一階では、ルービックキューブの実演をしており、スリンキーもおいてありました。レトロなおもちゃも、相変わらず、人気のようです。
 2月15日早朝、エキサイティングなNYを後に、日本に向かいました来年のNYトイフェアは、2008年2月17日から20日の4日間です。