ランプロシクラス・マリタリス

Lamprocyclas maritalis

生息時期：第四紀

Quaternary

規則正しく孔の開いた胴体にスカートを広げた様な棘と脚を伸ばした棘が特徴でとてもエレガントな形の放散虫です．（横山）

テトラパイル・サーキュラリス

Tetrapyle circularis

生息時期：第四紀

Quaternary

楕円形の帯が縦横に3つ重なった構造になっています．大きな孔と小さい孔の配列が構造の鍵を握っています．（横山）

シクラドフォラ・ナカセコイ

Cycladophora nakasekoi

生息時期：新第三紀

Neogene

網目の大きい胴体が特徴ですが，頭に生える2本の棘や肩の出っ張り，裾の広がりなどなかなか複雑な形をしています．（横山）

リクノカノマ・マグナコルヌタ

Lychnocanoma magnacornuta

生息時期：新第三紀

Neogene

丸い体に角一つ脚が3本，これも放散虫に多く見られる構造で，放散虫と聞いてこの形を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか．しかし，この3本脚，等分では無く少し偏っています．（横山）

カロシクラス sp.

Calocyclas sp.

生息時期：新第三紀

Neogene

網目模様の胴体に一本角，でもよくみると小さい頭が付いていて，角も少し傾いています．本当は裾にもっと美しいスカートを広げています．（横山）

アンフィスファエラ・キナ

Amphisphaera kina

生息時期：古第三紀

Paleogene

丸い胴体に細かい棘が生えています，棘の生え方や生える場所によって種類が分かれています．孔も大きな凹みの中に小さく開いていてなかなか複雑です．（横山）

ポドシルティス・ゲーテアナ

Podocyrtis goetheana

生息時期：古第三紀

Paleogene

放散虫の進化を形にしました．この放散虫は上から1室目，2室目，3室目と三つの部分に分けられ，3室目の形状が次第に変わっていくのが特徴です．網目の荒いゲーテアナ．（横山）

ポドシルティス・カララ

Podocyrtis chalara

生息時期：古第三紀

Paleogene

ポドシルティス（Podocyrtis）属は胴体の網目が段々と荒くなる進化をしていきます．（横山）

ポドシルティス・ミトラ

Podocyrtis mitra

生息時期：古第三紀

Paleogene

いちばん細かい網目のミトラは孔を開けるのが大変でした．（横山）

ディクティオフィムス sp.

Dictyophimus sp.

生息時期：古第三紀

Paleogene

この放散虫も丸い胴体に3本脚ですが，脚がずいぶんと高い処から生えていて胴体を包んでいるような形をしています．（横山）

ティルソシルティス・トリアカンタ

Thyrsocyrtis triacantha

生息時期：古第三紀

Paleogene

雪だるまの様な3段重ねの胴体に角と3本脚，放散虫の色々な基本形状を盛込んだお手本の様な形です．（横山）

タナルラ・エレガンティシマ

Thanarla elegantissima

生息時期：白亜紀

Cretaceous

白亜紀古世のタケノコ型ナッセラリアです．種名には最もエレガントなという意味が込められています．（松岡）

【白亜紀】ジュラ紀と白亜紀の境界では，放散虫の大量絶滅は起こりませんでした．新生代まで続く放散虫の多くは，ジュラ紀から白亜紀に出現しています．（松岡）

ウィリリーデルム sp.

Williriedellum sp.

生息時期：ジュラ紀～白亜紀

Jurassic / Cretaceous

3つの部屋をもつ球状のナッセラリアで，殻の終端部に孔をもちます．まだ種名がついていません．属名のウィリリーデルム（Williriedellum）は，20世紀に新生代放散虫の研究を牽引したアメリカの放散虫研究者William Riedel博士にちなんでいます．（松岡）

【ジュラ紀】三畳紀末の大量絶滅のあと，放散虫は再び復活をとげます．ジュラ紀にはタケノコ型ナッセラリアが大いに栄えました．（松岡）

【白亜紀】ジュラ紀と白亜紀の境界では，放散虫の大量絶滅は起こりませんでした．新生代まで続く放散虫の多くは，ジュラ紀から白亜紀に出現しています．（松岡）

ヴァルプス・ジャポニクス

Vallupus japonicus

生息時期：ジュラ紀～白亜紀

Jurassic / Cretaceous

パンタネリウム（Pantanellium）の仲間から派生したスプメラリアです．北海道の幌加内の近くから産出した個体が模式標本となっています．模式標本は大阪市立自然史博物館に保管されています．（松岡）

【ジュラ紀】三畳紀末の大量絶滅のあと，放散虫は再び復活をとげます．ジュラ紀にはタケノコ型ナッセラリアが大いに栄えました．（松岡）

【白亜紀】ジュラ紀と白亜紀の境界では，放散虫の大量絶滅は起こりませんでした．新生代まで続く放散虫の多くは，ジュラ紀から白亜紀に出現しています．（松岡）

パンタネリウム sp.

Pantanellium sp.

生息時期：ジュラ紀～白亜紀

Jurassic / Cretaceous

2重の球状殻と2本の棘をもつスプメラリアです．属名のパンタネリウム（Pantanellium）は，19世紀後半から20世紀初頭に活躍したイタリアの放散虫研究者のDante Pantanelli博士にちなんでいます．（松岡）

【ジュラ紀】三畳紀末の大量絶滅のあと，放散虫は再び復活をとげます．ジュラ紀にはタケノコ型ナッセラリアが大いに栄えました．（松岡）

【白亜紀】ジュラ紀と白亜紀の境界では，放散虫の大量絶滅は起こりませんでした．新生代まで続く放散虫の多くは，ジュラ紀から白亜紀に出現しています．（松岡）

サイトウム sp.

Saitoum sp.

生息時期：ジュラ紀～白亜紀

Jurassic / Cretaceous

1つの殻室と3本の足をもつナッセラリアです．属名のサイトウム（Saitoum）は，プレートテクトニクスの実証に貢献があった有孔虫研究者の斎藤常正博士にちなんでいます．（松岡）

【ジュラ紀】三畳紀末の大量絶滅のあと，放散虫は再び復活をとげます．ジュラ紀にはタケノコ型ナッセラリアが大いに栄えました．（松岡）

【白亜紀】ジュラ紀と白亜紀の境界では，放散虫の大量絶滅は起こりませんでした．新生代まで続く放散虫の多くは，ジュラ紀から白亜紀に出現しています．（松岡）

ウヌマ・エキナトゥス

Unuma echinatus

生息時期：ジュラ紀

Jurassic

紡錘型の外形と立派な棘が特徴の多節ナッセラリアです．第15回国際放散虫研究集会のロゴマークは，本種がモデルです．属名のウヌマ（Unuma）は模式地である岐阜県各務ヶ原市鵜沼の地名にちなんでいます．模式標本は大阪市立大学に保管されています．（松岡）

【ジュラ紀】三畳紀末の大量絶滅のあと，放散虫は再び復活をとげます．ジュラ紀にはタケノコ型ナッセラリアが大いに栄えました．（松岡）

エハライア・マスクラ

Yeharaia mascula

生息時期：三畳紀

Triassic

属名のエハライア（Yeharaia）は，20世紀前半に活躍した江原眞伍博士にちなんでいます．江原博士は，1926年に四万十帯から放散虫化石の産出を報告しました．（松岡）

【三畳紀】ペンギンのような形のアルバイレラリアなど，古生代型の放散虫が大量絶滅したあとに，中生代型の放散虫が進化します．タケノコ型ナッセラリアが出現するのは三畳紀です．この時代には多くの放散虫が現れましたが，三畳紀の末にその多くが絶滅しました．（松岡）

トリアソカンペ・ドゥヴェヴェリ

Triassocampe deweveri

生息時期：三畳紀

Triassic

最も古いタケノコ型ナッセラリアのひとつ．種名のドゥヴェヴェリ（deweveri）は，フランスの放散虫研究者Patrick De Wever博士にちなんでいます．（松岡）

【三畳紀】ペンギンのような形のアルバイレラリアなど，古生代型の放散虫が大量絶滅したあとに，中生代型の放散虫が進化します．タケノコ型ナッセラリアが出現するのは三畳紀です．この時代には多くの放散虫が現れましたが，三畳紀の末にその多くが絶滅しました．（松岡）

トリアエノスファエラ・ミヌタ

Triaenosphaera minuta

生息時期：ペルム紀

Permian

球状の殻に4本の棘，これもある意味基本に忠実な放散虫に見えますがこの棘，勝手気ままに生えてくるので油断できません．（横山）

【ペルム紀】この年代で外してはいけないのがアルバイレラ目です．一大ブームを起こしますが，ペルム紀末紀の大絶滅を乗り越えられなかったのです．（横山）

ネオアルバイレラ・セウドグリパ

Neoalbaillella pseudogrypa

生息時期：ペルム紀

Permian

アルバイレラの仲間たち．体の模様や傾げた帽子，可愛い中にも複雑な構造がありそれを確認する事ができます．（横山）

【ペルム紀】この年代で外してはいけないのがアルバイレラ目です．一大ブームを起こしますが，ペルム紀末紀の大絶滅を乗り越えられなかったのです．（横山）

セウドアルバイレラ・ロンギスコルニス

Pseudoalbaillella longiscornis

生息時期：ペルム紀

Permian

アルバイレラの仲間たち．丸い体に広げた両腕，短い足に三角帽子，とてもキュートな放散虫です．（横山）

【ペルム紀】この年代で外してはいけないのがアルバイレラ目です．一大ブームを起こしますが，ペルム紀末紀の大絶滅を乗り越えられなかったのです．（横山）

パレオシフォスティルス・バリオスピナ

Palaeoxyphostylus variospina

生息時期：石炭紀

Carboniferous

球状の構造に丸い孔，2本の棘，放散虫がよくやるやつです．よくある形ですがそれぞれの違いを見つけ再現するのも腕の見せ所です．（横山）

【石炭紀】古生代の中では比較的長い年代ですが，海の中は平和だったのでしょうか．多くの放散虫が生まれました．（横山）

ホロエシスクス・レンザエ

Holoeciscus renzae

生息時期：デボン紀

Devonian

見慣れた格子状の構造はどこかに置いてきてしまった様ですが，ちゃんと3本の骨針もあり放射状に伸びた形は自分が放散虫である事を主張し，美しい曲面と飛び出た棘が見事なバランスを保っています．（横山）

【デボン紀】見慣れたと思っていたら突然見慣れない形の放散虫が現れます．この頃から日本で産出した放散虫がなかまに加わります．（横山）

ロタスファエラ・クアドラタ

Rotasphaera quadrata

生息時期：シルル紀

Silurian

球状の構造を持つ様になりましたが，殻球を構成する模様の交わり方は直線的で交わった先には進めない様です．（横山）

【シルル紀】この頃になるとだいぶ見慣れた放散虫の形に進化が進んでいる様です．（横山）

プロトエンタクティニア・グラシリスピノサ

Protoentactinia gracilispinosa

生息時期：オルドビス紀

Ordovician

3本の骨針が外に向かって広がって行き，その外側で三又にテトラポッドの様に分岐します．いくつかの分岐をしながらまた交わるので，構造の中に6角形や5角形を見つけることができます．（横山）

【オルドビス紀】形状はまだ単純ですが，カンブリア紀に比べると大きな違いがあります．中心から広がる一方だった構造が広がった先でまた合流する様になったのです．（横山）

ラムスピクルム・トリフルカトッム

Ramuspiculum trifurcatum

生息時期：カンブリア紀

Cambrian

3本の骨針が中心で直交に交わり，その外側でまた直交に分岐を繰り返しますが今度は三又にその次はY字に分かれて行きます．（横山）

【カンブリア紀】この頃の放散虫は形も単純で，骨針と呼ばれる棒状の構造が単純に交わります．この単純な構造から放散虫5億年の歴史が始まります．（横山）

パラエオスピクルム・アルクシミレ

Palaeospiculum arcussimile

生息時期：カンブリア紀

Cambrian

3本の骨針が三脚の様に交わり，長い辺には首飾りの様な突起が現れます．（横山）

【カンブリア紀】この頃の放散虫は形も単純で，骨針と呼ばれる棒状の構造が単純に交わります．この単純な構造から放散虫5億年の歴史が始まります．（横山）