香港、ニュルンベルグ、ニューヨークで行われたトイフェア
駆け足で見てきました。ご報告です。

前畑 典子
  1. 香港玩具見本市
  2.ニュルンベルグ・トイフェア
  
3. スイスのおもちゃ屋さん
  4. アメリカン・インターナショナル・トイフェア(NY
 
 
2.ニュルンベルグ・トイフェア2009 2009年2月5日〜10日
 
 
今年60周年を迎えたニュルンベルグ国際玩具見本市。今年は、2月5日〜10日まで。出展各メーカーもこぞって、創業何周年というアピールをしていました。ラベンスバーガーが125年、レゴやバービードールが50周年という具合です。第二次大戦後、1949年、昭和24年にドイツのニュルンベルグで初めて国際玩具見本市が開催された時の様子を、ニュースはこぞって報道していました。何もない時代に希望を与えた玩具見本市、世界中から少しずつバイヤーが集まってきた玩具見本市、今では世界60カ国から出展され、120カ国から約8万人の来場者が訪れるという、世界最大の玩具見本市となりました。会場のメッセは、16万平米という、桁違いの広さ。全部見て回るためには、時間も体力も必要です。この期間、中世の町並みを残したドイツの中都市ニュルンベルグは、訪問客で満杯の様子を呈します。ホテルはどこも満員、しかも通常よりはるかに高い値段となります。ニュルンベルグに到着する飛行機も早くから満席です。今年は、この期間あまり寒くなくて、雪も降らず、助かりました。持って行ったカイロも使わずに済みました。
 

成田を発って14時間、ニュルンベルグに着くと、トイフェアののぼりが立ち、バゲッジを受け取る回転台には、レゴの大きな人形が並んで迎えてくれます。昨年はしろくまのフロッケがテーマでしたが、今年は恐竜とかわいいワンちゃんがテーマでした。来年のニュルンベルグは、2010年2月4日〜9日の開催です。

 

ホール3: プラントイ
  
今年のテーマは、「木のおもちゃが、世界を変えることができますか?」という問いかけ。
木のおもちゃで遊ぶことが、子どもたちにどのようなインパクトを与えることができるのか、子ども達の世界観を変え、結果世の中も良い方向に変えようと、プラントイは訴えます。

木にはいのちがあるから。そのいのちが、どこから来たかを知れば、周りの命も大切にするようになる、というのが、プラントイのものづくりの信念です。プラントイは、創業以来28年間、植林され、ゴムの樹脂が採取できなくなって伐採されるゴムの木を原料に使用し、一切の化学処理をしないでおもちゃを作っています。よりグリーンな世界にするために、プラントイが提案しています。
 

 「ぞうさんは、どうしたら生きていけるのかな?」 象は世界で一番大きな生き物です。そして、環境が破壊され、ジャングルがなくなると生きていけません。ぞうさん達も生きられるような地球をまもらなければならない、そんな問いかけを子ども達にします。2009年のテーマは、ぞうさん。そして、極めつけの新製品は、「すすめぞうさん」です。プラントイジャパンの社長が乗っているのは、デモ用の大型ぞうさん。後ろは、プラントイのビトール社長です。このゾウさんのミニ版が、地球を守ろう基金への寄付付きで、秋頃には特別発売になるかもしれません。
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 グリーンドールハウス
 
エコなライフスタイルの提案です。
 手前にある大型ゾウさんは、デモンストレーション用。大人が乗っても大丈夫。ちゃんと前進もします。
カラフルなキッチンシリーズは、今年も人気でした。

ホール4: ブリオ
 
ブリオのブースは、今年も赤い壁の中ですが、一部飾り窓のように外からも見られるようになっています。相変わらず、おしゃれなブースです。
 
今年は、機関車やレール関係も充実して、昔からのブリオファンが喜びそうです。ヨーロッパでは、昨年、ディズニーシリーズのレールセットが大人気だったとか。また、スウェーデン版には、キティちゃんのピンクの手押し車もありました。これらの商品は、版権の関係で残念ながら日本には未入荷です。
 
 
こちらのボックスは、木箱に代わるブリオの新しいプラスチックケース。開くと、何とプレイマットに変身するという優れものです。レールセットが入っての発売になる予定です。楽しみですね。

新しい機関車の説明をしてもらっているところ。
第一弾は、今年の5月に入荷予定。そして、残りは秋に入ってきます。人気者だった、フライングスコッツマンも復活します。スコッツマンの入ったレールセットも発売予定です。

33687 フライングスコッツマン 3000
33688 フライングスコッツマンレールセット 18000
 
 
BRIO My Very First シリーズは、好評のなか新製品が発表されました。
30464 マイベリーファーストモバイルフォン 2500は、ボタンを押すと、キュッキュッと鳴って安全な初めてのケータイ。こちらは昨年から好評発売中。
30155 子ウサギのプルトイ 1600は、体を揺らしながら走るウサギ君が躍動的。6月発売。
30477 セイウチくんのミニブランキー 1800は、一見スルメ状のせいうちですが、子どもはこれをお守りのように手に握り締めて持ち歩くのです。やさしい色と素材が赤と白のパケッジに引き立てられて、かわいいギフトアイテムとして人目を引いていました。
 
  

 これは、人気デザイナー、ピア・バレンさんのデザインによる姫鏡台とジュエリーボックス。取っ手の金具は、ブリオの機関車の車両から発案したデザインだそうです。ピカピカ光ってとても可愛らしいアクセントとなっています。良質なおもちゃとして大切に使って、お嫁に行く時にも持っていくような物を想定しているそう。日本にも入荷予定があるとのことでした。ブリオの女の子アイテムとして楽しみですね。
 

ホール12: ゾム・ツール
 
新製品の出揃ったゾムツールのブースは、いつもながら意表をついた展示品が溢れて、楽しいブースです。訪れる人も多く、世界中のマニアが集まってきている感じです。私達が行った時にも、カナダのバイヤーさんと、ポルトガルに住んでいたときにゾムツールを学校の教材として広めた、イギリス人のアンナ・マリアさんが、ゾムツールの普及について話し合っていました。
ゾムツールの考案者、ポール・ヒルデブラント氏、数学者のマイク・ストラナハン氏、ゾムツール社の社長、カルロス・ニューマン氏。
 
 ゾムツールは、これまでアメリカン・トイフェアに毎年出展していましたが、一昨年からニュルンベルグに出展し、大成功を収めています。高校の教材として採用されたインドをはじめ、今まで流通していなかった各国からの注文が殺到しています。
 

ホール10: アイガミ
 
 アイガミの製造元、カナダのプラズマ・アート社社長のティムさんと、マネージャーのトレーシーさん。
ニュルンベルグは、普段メールでのやりとりしかしていないメーカーの人達と、一年に一度会える、楽しい再会のときでもあります。たくさんの展示ブースを訪れる興奮の中で、用意してきたいくつかの事務的な話しを手短にして、又来年の再会を約束します。
 
アイガミは、イメージミッション木鏡社が日本の総代理店として輸入している、画期的な構成玩具です。アメリカのドクター・トイ賞なども受賞し、教育的効果も評価されています。小さい頃、日本人から折り紙を習って魅了され、何とかプラスチックで再現できないか、と考えたのがこのアイガミです。Igamiの“i” は、”inspired”, 「折り紙に啓発されて」のアイです。折り紙への「愛」もあるかもしれませんね。カナダでも人気が出てきており、アイビーという書店のチェーン店でも大規模の展開しているそうです。日本でも、書店さんに売り場ができそうです。
 

ホール1: シュタイフ
 
 色々な箇所から入ったり、見たりできるように設計されたブースは、例年より開放的な印象でした。一点一点表情も異なる可愛らしいぬいぐるみは、相変わらずどれも印象的で、特に胸キュンだったのが、このハスキーのキーリング。約10cmもあって、キーリングというよりも、立派なぬいぐるみです。ちゃんと立つし、表情も豊かです。残念ながら、日本では完売し、次回の入荷はまだ未定です。思わず、家に残してきたワンコを思い出してしまいました。だって、そっくりでしょう?ほら。

ほっと一息。こんなところで、休憩ができます。メッセの会場から。
 
広い会場を歩き疲れたら、ホールとホールの間には、色々なレストランや休憩所が設けられています。こんな、車のホットドッグスタンドやエスプレッソ屋さんがありました。足早に通り過ぎながら、サンドイッチをぱくついているバイヤーさん、小売店さん、コーヒーを飲みながら一息入れていると、顔見知りの人たちが通りかかります。今年は、世界不況のあおりで、来場者も少ないだろうと予測されていましたが、それでも、60周年を迎えたニュルンベルグのメッセは、大勢の人達が行きかい、あちこちで一年に一度の再会を喜び合い、真剣に商品選びをしている世界中のバイヤーさんで賑わっていました。


 
 −−> 3. スイスのおもちゃ屋さん へ続く